鉄道車両も手掛けるカワサキ

カワサキの鉄道車両の歴史

カワサキは移動車両の開発、製造について長い歴史を持ち、その事業範囲は陸海空にまで及びます。
その事業の一つに鉄道車両の開発製造もあり、これは川崎重工業グループの中にある「川崎車両株式会社」が行っているものです。

本社は東京と神戸の2拠点としていて、これは川崎重工業と同じ体制となっています。
生産拠点は、主に兵庫にあり神戸本社と接する形で工場が建てられています。
また、北米市場のための生産拠点も設けられていて、アメリカのネブラスカ州に大きな工場を持っています。

カワサキの鉄道事業の歴史は古く、1906年にまでさかのぼります。
初めての車両納入は南海鉄道の電車で、木製だったとされています。
この時代はまだ電動車両だけでなく蒸気機関車も走っていましたので、大型の蒸気機関車を国産で製造したパイオニア的存在として事業を行っていました。

その後、材料や駆動系式の技術進歩に伴い、完全鋼鉄製の車両の開発を行っていきます。
そして川崎が国内では初となるすべて鋼鉄製の車両を作ることに成功しています。

2021年に社内カンパニーから分社化

日本の鉄道車両製造のさきがけとして常に業界をけん引してきた川崎ですが、1969年に川崎重工業に吸収合併されることになります。
グループ本体への吸収によって、幅広い材料調達や応用力の高い技術の駆使が可能となっています。
たとえばアルミ合金による車両製造も、鋼鉄製と同じ日本では初めて実現したのがカワサキです。
その後も、手作業で多くのプロセスをこなしてきた製造ラインを、自動溶接技術を導入して効率化を図るなどの取り組みをしてきました。

また、国鉄が終焉を迎えてからもJRや私鉄への車両納入を積極的に行い、それぞれのニーズに合わせた開発を進めています。
JRに対してはオールステンレスの車両を作り、都市部や都市近郊における利用しやすい車両を提供しています。

こうした歴史をたどり、2021年には川崎重工業の社内カンパニーとして存在していた事業部門を切り離して、正式に川崎車両株式会社として分社化します。
具体的には、3月10日に分割準備会社という形で川崎車両株式会社が作られ、川崎重工業の完全子会社となります。
そして10月1日には、親会社が持つすべての事業や組織を川崎車両株式会社に譲渡する形で名実共に独立を果たします。

それ以降は同じグループであることには変わりがありませんが、一つの独立した企業としての事業計画を進めています。
日本のみならずアメリカ向けの車両納入実績も順調に伸ばしていて、特にニューヨーク市交通局への地下鉄などの車両提供は他の企業を押さえてトップの地位を不動のものとするまでになっています。

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