カワサキの航空機の製造について
バイクで世界中に知られるブランドとなっているカワサキですが、幅広い事業を行っていて、その範囲は航空機にまで及びます。
実は日本でも有数の航空機メーカーで、高い技術と生産能力を持っているのです。
カワサキの航空事業は、「川崎重工業航空宇宙システムカンパニー」という企業によって実行されています。
この会社は川崎重工業における社内カンパニーとして組織されていて、航空機や宇宙開発に関係した製品を開発、製造しています。
また、軍事面でも航空分野での製造を行っているのも特徴です。
カワサキの航空機製造の流れは、川崎航空機工業という戦闘機メーカーにさかのぼります。
兵庫に主な工場を持ち、戦中の陸軍における専属メーカーとして活動していました。
この企業は、主に航空宇宙事業、そしてジェットエンジン事業の2つの軸から成っています。
どちらも最先端の研究に基づく開発を進めていて、中にはアメリカやヨーロッパとの共同研究による開発がなされているプロジェクトも存在します。
工場は岐阜や愛知、兵庫にいくつか存在していて、研究開発と製造を行っています。
航空機の製造は純国産の機体もありますが、海外メーカーのライセンス生産をしているケースが多いです。
また、日本航空機製造や新明和工業、三菱重工業といった国内の航空機メーカーと共に製造をしているものもあり、幅広いジャンルの航空機を作っています。
カワサキの主な航空関連製品
カワサキは戦中から航空機を作ってきましたので、歴史を通じて非常に多くの製品を送り出してきました。
たとえば川崎航空機時代には、八八式偵察機や「飛燕」と名付けられた三式戦闘機などがあり、今でも多くの人に語り継がれる名機を製造した過去があります。
最近では、T-4や分担生産でのYS-11、US-2などがあります。
ライセンス生産としては、ロッキード社のT-33AやP-3Cなどが有名ですし、旅客機分野ではボーイングのライセンス生産が多いです。
たとえば、767、777、787と世界でも主流となってきた航空機を国内生産してきました。
ジェットエンジンも分担生産やライセンス生産という形で製造しています。
たとえば、IHI社との分担でF110とF100ターボファンエンジンやAW139ターボファンエンジンなどを作っています。
ハネウェル社のライセンス生産ではT53やT55ターボファンエンジン、ロールスロイスからはRTM322ターボファンエンジンを作っています。
これに加えて宇宙関連主要パーツの製造も行っていますし、軍事関連の備品も製造しています。
かなり範囲が広く、その技術力の高さとすそ野の広さは、国内でも有数の重工業企業であることをはっきりと示すものとなっています。